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政治資金規正法と贈与税の非課税財産

 政治資金規正法と贈与税の非課税財産

(平成21年12月4日)

 鳩山首相は、このところ偽装献金問題、母親からの資金提供、贈与税問題と次々に話題を提供しています。

 報道は、「政治資金規正法では150万円の寄付を上限としているので、その額を超えるものは贈与税の対象になるのではないか?」と指摘しています。


 贈与税の非課税財産

 贈与財産の中には、性質、目的、国民感情、社会政策的な面から、贈与税をかけるのは不適当なものがあります。これらを贈与税の非課税財産といいます。

<贈与税の非課税財産の一覧表>

非課税財産非課税の範囲等根拠条文
1法人から贈与により取得した財産所得税が課される相法21条の3一号
2扶養義務者間での生活費や教育費通常必要と認められるもの相法21条の3二号
3公益事業用財産
(宗教、慈善、学術、その他)
公益を目的とする事業を行う者が贈与によって取得した財産で、公益事業に使われるもの相法21条の3三号
4政治資金規正法の適用を受ける政党等が政治資金として取得した金銭等政治資金規正法の適用を受ける政党、政治資金団体その他の政治団体が政治資金として金銭、物品その他の財産上の利益を取得した場合相法21条の3三号,相基通21の3-8⑵
5学資の支給を行うことを目的とする特定公益信託から交付される金品一定の要件に当てはまるもの相法21条の3四号
6心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権全額非課税相法21条の3五号
7特別障害者扶養信託契約に基づく信託の受益権6,000万円まで非課税相法21条の4
8公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が選挙運動のために取得した金品公職選挙法の規定により報告がされているもの相法21条の3六号
9社交上必要と認められる香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物、または見舞等社会通念上相当と認められるもの相法21条の3,相基通21の3-9
10資力を喪失した人が低額譲渡または債務免除により受けた利益資力喪失で債務の弁済が不可能であることが明らかな場合、弁済が不可能な額相法8条一号・二号
11離婚による財産分与によってもらった財産常識的な範囲のもの相法9条,相基通9-8
12相続人が被相続人から相続の年にもらった財産贈与税ではなく、相続税が課税される相法21条の2④項

<解説>

  •  №1(法人から贈与により取得した財産)
     贈与税は相続税を補完する税として位置づけられています。相続税は被相続人である個人からの財産移転に課税するものです。
     贈与税は、個人からの財産移転に課税する相続税を補完しますので、法人からの財産移転については、贈与税ではなく所得税を課税することにしています。

     相続税を補完する税とは?
     相続税を回避する目的で生前に財産を妻子などに贈与しておけば、相続開始の時点で課税されるべき財産がないということも起こります。贈与税は、このようなことを防ぐために設けられており、税率も相続税より高い率に設定されています。

  •  №2(扶養義務者間での生活費や教育費)
     これは、扶養義務関係にある者が生活費や教育費を負担することにまで贈与税を課税しないという当たり前の規定です。
     ※ 扶養義務者とは、親子間に限定するものではなく、配偶者、兄弟姉妹、直系血族、3親等内の親族(血族及び姻族)です。
  •  №3(公益事業用財産)
     公益を目的とする事業を行う者が、贈与を受けた財産を、公益を目的とする事業に使う場合には贈与税を課税しないことにしています。
     他の税法も公益事業には課税しないこととしてます。
  •  №4(政治資金規正法の適用を受ける・・政党、政治資金団体・・)
     政治資金規正法の適用を受ける団体が、政治資金として金銭等の贈与を受けた場合には贈与税は非課税になります。
     ただし、政治資金規制法は第22条②項において、「個人のする政治活動に関する寄附は、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、150万円を超えることができない。」規定しています。
     したがって、贈与税の非課税の限度額は150万円ということになります。
     ※ 鳩山首相に関しての報道の指摘は、まさにこの点です。
  •  №9(社交上必要と認められる香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物、または見舞等)
     社交辞令に属するものにまでは課税しないということです。
  •  №10(資力を喪失した人が低額譲渡または債務免除により受けた利益)
     弁済が不可能な額について債務の免除を受けた場合には、課税しないということです。
  •  №11(離婚による財産分与)
     常識的な額であれば課税されないということです。
  •  №12(相続人が被相続人から相続の年にもらった財産)
     被相続人が亡くなった年に贈与を受けていた場合には、贈与を受けた財産については、贈与税ではなく相続税として課税するということにしています。


 政治資金規制法(参考資料)

第12条 (報告書の提出)
 政治団体の会計責任者は、毎年12月31日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出その他の事項で次に掲げるものを記載した報告書を、その日の翌日から3月以内に、・・・・都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならない。

  •  すべての収入について
    (中略)
    •  借入金については、借入先及び当該借入先ごとの金額
      (中略)
  •  すべての支出について
    (中略)
  •  12月31日において有する資産等(次に掲げる資産及び借入金をいう。)について
    (中略)
    •  借入先ごとの残高が100万円を超える借入金  借入先及び借入残高
      (中略)

第21条の3 (寄附の総額の制限)
 政党及び政治資金団体に対してされる政治活動に関する寄附は、各年中において、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる額を超えることができない。

  •  個人のする寄附・・・・・2千万円
  •  会社のする寄附
    資本金の額又は出資の金額寄附の限度額
    50億円以上3,000万円
    10億円以上50億円未満1,500万円
    10億円未満750万円

第22条 (同一の者に対する寄附の制限)
 1 政党及び政治資金団体以外の政治団体のする政治活動に関する寄附は、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の政治団体に対しては、5,000万円を超えることができない。
 2 個人のする政治活動に関する寄附は、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、150万円を超えることができない。

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