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改正税法成立22.03.24-その2

改正税法成立22.03.24-その2

 法人税関係

 完全支配関係がある法人間の取引に係る税制

 従来は、支配関係にある会社であってもそれぞれの法人格は別個であるため、グループ間の取引も支配関係のない法人同士の取引と変わるところはありませんでした。
 しかし、この法理を利用した租税回避行為の横行、子会社支援のための資金提供であっても寄付金課税になるなどの不都合が生じていました。
 これらの不都合を解消する目的で、今回の改正が行われました。

取引等完全支配関係のある
法人間の取引
一般の法人
資産の譲渡譲渡による損益を繰り延べ譲渡時に譲渡損益を認識
寄付金支出法人:全額損金不算入
受領法人:全額益金不算入
支出法人:限度額を超えるものは損金不算入
受領法人:全額益金算入
受取配当配当全額が益金不算入
(負債利子控除の適用がない)
負債利子控除の配当の額が益金不算入
自己株式の譲渡・取得みなし配当が生ずる事由による自己株式の譲渡に係る譲渡損益の計上なし譲渡時に譲渡損益を認識
中小法人に対する特例資本金等の額が5億円以上である法人の完全支配関係がある法人については、中小企業者等の軽減税率不適用資本金等1億円以下の中小法人に適用
①②④は、平成22年10月1日から適用
③⑤は、平成22年4月1日以後に開始する事業年度から適用

【改正要綱(抜粋)】

  •  完全支配関係がある法人の間の資産の譲渡取引等
     連結法人間取引の損益の調整制度について、内国法人が譲渡損益調整資産を当該内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人に譲渡した場合には、その譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額を、所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入する制度に改組する。(法人税法第61条の13、旧法人税法第81条の10関係)
  •  内国法人が当該内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人に対して支出した寄附金についてその全額を損金不算入とするとともに、当該他の内国法人が 受けた受贈益についてその全額を益金不算入とする。(法人税法第25条の2、第37条、第81条の6関係)
  •  完全子法人株式等につき受ける配当等の額については、負債の利子を控除せず、その全額を益金不算 入とする。(法人税法第23条、第81条の4関係)
  •  内国法人が、その有する株式を発行した他の内国法人で当該内国法人との間に完全支配関係があるも のからみなし配当の額が生ずる基因となる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合等には、当該事由により生ずる株式の譲渡損益を計上しないこととする。(法人税法第61条の2関係)
  •  資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上である法人又は相互会社等との間にこれらの法人による完全支配関係がある法人については、中小企業者等の軽減税率を適用しないとともに、特定同族会社の特別税率の適用対象とする。(法人税法第66条、第67条、第81条の12、第143条関係)


 資本に関係する取引等に係る税制について

  •  受取配当等の益金不算入制度及び外国子会社から受ける配当等の益金不算入制度について、法人が受ける配当等の額(自己株式の取得に基因するみなし配当の額に限る。)の元本である株式で自己株式としての取得が行われることが予定されているものを取得した場合におけるその取得した株式に係る配当等の額(その予定されていた自己株式としての取得に基因するみなし配当の額に限る。)については、適用しない。(法人税法第23条、第23条の2関係)
    法人が平成22年10月1日以後に取得する株式に係る配当等の額について適用する。(附則第14条、第15条、第24条関係)

  • 抱合株式については、譲渡損益を計上しない。(法人税法第61条の2関係)
    平成22年10月1日以後に合併が行われる場合について適用する。(附則第10条関係)

  •  清算所得課税の廃止及びこれに伴う措置
    ① 清算所得課税を廃止するとともに、清算中の内国法人である普通法人又は協同組合等に各事業年度の所得に対する法人税を課する。(法人税法第5条、旧法人税法第6条、第92条~第120条関係)
    ② 法人が解散した場合において、残余財産がないと見込まれるときは、青色欠損金額等以外の欠損金額を損金の額に算入する。(法人税法第59条関係)
    ③ 連結子法人の解散(合併による解散を除く。)のうち破産手続開始の決定による解散以外のものを、連結納税の承認の取消事由から除外する。(法人税法第4条の5関係)
    ④ みなし事業年度、確定申告書の提出期限等について所要の規定の整備を行う。(法人税法第14条、第74条、第75条の2、第135条関係)
    平成22年10月1日以後に解散が行われる場合について適用する。(附則第10条関係)

 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度

 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度とは、一定の同族会社(特殊支配同族会社)が業務を主催する役員に対して支給する給与の額のうち給与所得控除額に相当する部分として計算される金額は損金の額に算入しない制度です。

 個人事業者が法人成りすれば、その経営者は事業所得から給与所得になります。その結果、給与所得の場合は「給与所得控除」があるため、経営者が得る収入は同額であるにもかかわらず所得金額が減少することになります。
 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度は、この効果を抑制する目的で作られたものでした。

 しかし、この制度については批判も多く、今回の改正で廃止することになりました。

  •  特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度が廃止されます。
    平成22年4月1日以後に終了した事業年度の所得に対する法人税について適用

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